この記事を読んでいるあなたは、
- 教員を辞めたい
- 教員を辞めても生きていけるか心配
- 教員を辞めたいけど、もう少し頑張ってみるべきか迷っている
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、そんなあなたに「教員を辞めたい人の3つの選択肢と、とるべき行動」をお伝えしていきます。
教員を辞めたい人のよくある理由5選
東洋経済がおこなったアンケート調査によると、およそ2割の教員が「教員を辞めたい」と考えていることがわかっています。
まずは、教員を辞めたい人のよくある理由を5つ紹介します。
- 長時間労働が辛い
- 生徒・保護者・同僚などとの人間関係が辛い
- 将来が不安
- 教員の業務内容が自分に合っていないと感じている
- 給与などの待遇面の不満
それぞれ詳しく解説していきます。
長時間労働が辛い
教員が仕事を辞めたいと考える理由の代表例の1つとして、長時間労働が辛いことが挙げられます。
日本教職員組合がおこなった「学校の働き方改革についての実態調査」によると、教員の1日平均の残業時間は2時間54分、月間で96時間44分となっております。
- 授業の準備が終わらない
- 部活動の顧問で休日出勤が多い
- クラスの問題について考えることが多い
上記の他にもさまざまな雑務があり、多くの教師がブラック企業並みともいえる労働時間の長さに悩まされているのです。
教師も1人の人間であり、仕事以外にもプライベートの時間があります。
長時間労働が当たりまえと化し、休日出勤も珍しくない教師は、友人との時間や恋人・家族との時間、趣味の時間などがとれないことに悩み、教師を辞めることを決意する人も多いのです。
生徒・保護者・同僚などとの人間関係が辛い
教員という仕事は、生徒と接するときの自分・保護者と接するときの自分・同僚や上司の教員と接するときの自分と、主に3つの顔を使い分けながら仕事をする必要があります。
それぞれに別々の人間関係の悩みが存在し、ストレスに圧し潰されそうになってしまうのです。
- 生徒がいうことを聞いてくれない
- 授業が崩壊している
- モンスターペアレントの対応が辛い
- 教員間の派閥争いが辛い
人間関係の問題は、教師に限らず、ほとんどの職場・職種においても退職理由のトップクラスとなる悩みの1つだといえます。
中でも、仕事の中で3つの顔を使い分ける必要がある教員は、人間関係の悩みが尽きない職種なのです。
将来が不安
特段大きなストレスなどを抱えていない場合でも、教師という仕事をこのまま続けていくことに不安を感じ、転職を考える教師も少なくありません。
- やりがいや働きがいを見いだせない
- 休みなく働いている教頭の姿を見て、そうはなりたくないと感じた
- コロナウイルスの流行によって、更に業務が大変になった
新卒で教師になったとして、定年まで40年近くは教壇に立ち続けることになります。
そんな将来に対してふとしたきっかけで不安を感じ、教員を辞めることを視野に入れるようになるのです。
教員の業務内容が自分に合っていないと感じている
教員という仕事に憧れを抱き、努力した結果念願の教職に就いたとしても、仕事への憧れと、向き・不向きは別問題ということもあります。
教員としての日々を過ごす中で「自分に教師は向いていないのかもしれない」と考えるようになる教師もいるのです。
- クラスの問題の多さに頭を抱えている
- 授業が思うように進まない
- 生徒とうまくコミュニケーションがとれない
教員という仕事は、問題解決能力やコミュニケーション能力、マネジメントやリーダーシップなどさまざまなスキルが必要とされます。
実際に教員として働いてみて、その素質がないことに気付いてしまうこともあるのです。
給与などの待遇の不満
長時間労働が当たりまえとなっている教員という仕事には、基本的には残業代という概念はありません。
定時で帰宅しても、夜遅くまで残って授業の準備をしても、給与は全く変わらないのです。
また、正規雇用ではなく非常勤として雇用されていることで、収入が安定せずに悩む教員もいるでしょう。
教員は一般的なサラリーマンと比べると給与水準が高い職種ではありますが、さまざまな要素を天秤にかけると、不満を感じてしまう教師もいるのです。
教員を辞めたい人の目の前にある3つの選択肢
教員を辞めたいと考える人の目の前には、以下の3つの選択肢が広がっています。
- このまま教員を続ける
- すぐに退職・転職活動をする
- スキルアップして自分の価値を高めてから転職する
それぞれ詳しく解説していきます。
このまま教員を続ける
教員を辞めようか考えた末、このまま教員を続けることを選ぶことも選択肢の内の1つです。
ただし、仕事の進め方・仕事への向き合い方など、何かしら行動に変化をつけないことには、現状抱えている悩みが無くなることはありません。
現状を改善するために何らかの行動を起こし、その結果悩みを改善することができたら、このまま教員を続けることも十分可能なはずです。
すぐに退職・転職活動をする
教員を辞めたいという意思が強固なものとなっている場合は、すぐに転職活動をすることが現実的な選択肢となるでしょう。
年齢が若い方が未経験の職種にチャレンジできる可能性も拡がり、転職した先には今では想像もできないような未来が待っているかもしれません。
また、教員としての経験を活かせる仕事、教員免許の資格を活かせる転職先もあるでしょう。
今や一般企業においては終身雇用は破綻したといわれており、転職は当たりまえの時代です。
教師も転職することは珍しいことではないし、もちろん悪いことではないのです。
スキルアップして自分の価値を高めてから転職する
教員を辞めて転職をする場合のもう1つの選択肢として、まずはスキルアップして自分の価値を高めてから転職するという方法もあります。
教員免許を取得するまで努力したという実績があるあなたなら、コツコツ努力を積み上げることは得意なはずです。
ITスキルを身に着けてからプログラマーに転職したり、何らかの資格を取得してから転職したりなど、社会における自分の市場価値を高めてから転職することで、うまくいけば年収アップも期待できるでしょう。
教員を辞めずに現状を改善する3つの方法
このまま教員を続けていくことを視野に入れる場合は、現状の悩みを改善するための行動を起こす必要があります。
教員を辞めずに現状を改善する3つの方法について解説します。
- 仕事を簡略化し、長時間労働を改善する
- ストレスを発散できる方法を持つ
- 教員としてのスキルを高める
それぞれ詳しく解説していきます。
仕事を簡略化し、長時間労働を改善する
長時間労働に悩みを抱えている場合は、仕事を簡略化し、生産性を高めていくことで悩みを解決できる可能性があります。
一般企業では生産性を高めるために仕組みを変えたり、ツールを導入したりなどの改善行動をすることは珍しくありません。
しかし、教員といいう職種においては「昔からこれでやってきたから」という理由だけで、古い仕組みのまま業務を進めている部分も多々あるはずです。
- 会議の進め方
- 書類のやりとり
- 授業構成の作り方
これらを見直してみると、改善する余地もあるのではないでしょうか。
なにごとも、新しい行動を起こすときは向かい風が生じ、反発が起きることもつきものです。
しかし、それらの障壁をかわしながら新しい取り組みをおこなった結果、状況が好転することもよくあるのです。
ストレスを発散できる方法を持つ
人間関係のストレスを原因に教員を辞めたいと考えている場合は、ストレスを発散できる方法を持っておくことも大切です。
仕事は仕事だと割り切り、仕事以外の部分でストレスを発散できるように、新しい趣味にチャレンジしてみるといいでしょう。
また、ストレスは誰かに悩みを打ち明けるだけでも随分楽になることもあるはずです。
信頼できる同僚や上司、職場に相談できる相手がいない場合は友人や家族でも構いません。
自分1人で抱え込まず、誰かに話してみることで、具体的な改善案や客観的な意見を聞け、新しい発見があるかもしれません。
教員としてのスキルを高める
授業の進め方や人間関係の構築の仕方など、教員としてのスキルを高めることで、今現在抱えている悩みが解決する可能性があります。
- 本から学ぶ
- セミナーで学ぶ
- お手本とする教師を見つけて真似をする
教員としてのスキルを高めて今よりも一段階上の教員になることで、再び教員の仕事に情熱を注げるようになるかもしれません。
教員を辞めたい人におすすめの転職先
最後に、教員を辞める決意を固めた人におすすめの転職先を紹介します。
- 教育関連
- 営業職
- 事務職
それぞれ詳しく解説していきます。
教育関連
教員としての知識や経験を活かせる教育関連の仕事なら、転職活動もスムーズに進み、転職後も活躍していけることが期待できます。
また、教員免許を持っていることで優遇されることもありません。
- 塾講師
- 家庭教師
- 児童支援員
- 教育系の出版業界
- インストラクター
教育系の仕事とひとことでいっても、さまざまな分野があります。
今持っているスキルが使えて、今抱えている悩みを改善できる転職先もきっとあるはずです。
営業職
営業職は、自社のサービスや商品の魅力を顧客に伝え、販売数や契約数を伸ばしていく仕事です。
生徒・保護者・同僚を相手に、3つの顔を使い分けながらコミュニケーションをとってきた教員経験者なら、きっと普通の人よりもコミュニケーション能力が身に付いているはずです。
顧客とのコミュニケーションが大切な営業職は、教員経験者に向いている仕事だといえるでしょう。
また、教育系の事業をしている会社の営業職なら、教員経験を活かしながら営業活動を進めていくこともできます。
営業職は自身の成果が収入に結び付きやすいので、大幅な年収アップも夢ではないかもしれません。
事務職
教壇に立つことや、生徒や保護者とのコミュニケーションは苦手だったけど、放課後のデスクワークは好きだった。
そのような方なら、書類作成や電話対応などがメインとなる事務職なら、ストレスを感じずに伸び伸びと働けるかもしれません。
大学や学習塾など、教育関連で事務職を募集している場合もあるので、教育の場を離れずに教員を辞めることも可能です。
教員を辞めたい人の3つの選択肢のまとめ
教員を辞めるにしても、辞めないで続けるにしても、何らかの行動を起こさないことには現状は改善されません。
教員を辞めたいと考えることは決して悪いことではなく、また辞めたところで路頭に迷ってしまうことはないはずです。
むしろ、悩みを抱えたまま無理をし続けることの方がよっぽど危険です。
文部科学省の発表によると、令和2年に精神疾患を患って仕事を退職・休職している教員は5,180人もいるのです。
心や体を壊してしまうまえに、よく考えたうえで自分に合った行動を起こしてくださいね。