ポジショニングとは?ポジショニングマップの作り方とともに解説

顧客に自社製品をどう好ましい形で認知してもらうかを決めることは、マーケティングの戦略上大変重要です。

どれだけ優れた製品であってもまずその魅力や価値を顧客に認知してもらえなければ数ある製品の中から選んでもらうことはできません。

この記事では、自社製品をどのように認知してもらうか=ポジショニングについて解説していきます。

ポジショニングとは

ポジショニング

ポジショニングとは、ターゲット顧客の頭の中に、自社製品について独自のポジションを築き、ユニークな差別化イメージを植えつけるための活動です。

顧客に自社製品のユニークな価値を認めてもらうことで、競合製品に対して優位に立つことを目的にしています。

ポジショニングを検討する際の代表的な手法としてポジショニングマップがあります。

続いて、このポジショニングマップについて解説していきます。

ポジショニングマップとは

ポジショニングマップ

ポジショニングマップとは、顧客のニーズに合った訴求ポイントを2つの軸とし、その中で自社製品を有利な位置に置くことで魅力を一目でわかるようにする手法です。

ポジショニングマップの例

具体的には、上図のように、横軸と縦軸に項目を設定して市場における自社製品のポジションを明確化します。

ポジショニングマップは、競合との差別化ポイントを強調し顧客に自社製品の魅力を認知してもらうための効果的なツールです。

以下では、ポジショニングマップをつくるうえで、重要なポイントについて解説します。

差別化ポイントは2つに絞る

顧客に自社製品の魅力を伝えようという時どうしても多くの優れた点を伝えたくなるものです。

例えば台所用洗剤であれば汚れがよく落ちる漂白できる1回に使う量が少なくて済む除菌ができる手に優しいなど特徴をいくつもあげたくなってしまいます。

しかし特に消費財においては顧客の意思決定の時間は短く多くの魅力を伝えようとすると結局何がいいのか分かりにくくなり顧客の印象に残すことができません。

1人の顧客が特定の製品について強く認識する特徴は2つまでと言われています。

そのためたくさんある特徴から2つに絞りそれを軸にします。

これがポジショニングマップにおいてまず軸となる訴求ポイントを2つに絞る理由です。

2つの軸の選ぶうえでのポイント

では2つの軸はどのようにして選べば良いのでしょうか。

適切な実行を選ぶためにはまずは自社製品の特徴をいくつも洗い出します。

その時例えば昨日だけでなく製品に付随するイメージも出しましょう。

先ほどの台所用洗剤であれば「汚れがよく落ちると」いう機能に加えて人や環境にやさしいといったイメージも出すと良いでしょう。

このリストから2つの軸を選ぶ必要があります。

どのように適切な事項を選ぶのでしょうか。

ここでは大事なポイントが2つあります。

顧客の視点で選ぶ

1つ目は顧客の視点で選ぶことです。

例えば、オーブンレンジや炊飯器などの家電製品についてメーカーとして「機能が多い」という軸を押し出したいとします。

ですが、もし顧客が操作が簡単な製品を求めていた場合には魅力的だと感じてもらえません。

ターゲット顧客の顕在潜在ニーズに訴求するポイントを軸に選ぶことが重要です。

競合との差をわかりやすくする

2つ目は競合との差がわかりやすくすることです。

いくら顧客のニーズを満たしていても競合も同じであれば自社製品を選んでもらえるとは限りません。

競合と差別化できるかという視点も重要です以上の2つを意識しながらターゲット顧客にこの製品が好きですなぜならと言ってもらえる特徴を2つの軸に選んでください。

顧客の共感を得られ競合と差がつく軸を選び自社をマップ上の優位な場所につけましょう。

ポジショニングが効果を発揮した事例

ポジショニングマップの事例

コンビニエンスストアのセブンイレブンは2013年にコーヒーを一杯100円という破格の値段で店頭で売りだしました。

コーヒーは豆を一杯ずつペーパードリップしている上質なものです。

それまでの常識では、美味しいコーヒーを飲むためにはコーヒー性などの専門店で高い値段を払うというものでした。

それに対して、セブンイレブンはコストパフォーマンスが高くすぐに購入できるコーヒーという新しいポジショニングを打ち出しました。

これは高性能マシンの導入により人件費など原材料以外の費用を抑え、さらに自社の強みである店舗数の多さを生かすことができたためです。

その結果としてサービス開始から3年2ヶ月で20億杯を売り上げるほどの大ヒット商品となったのです。

ポジショニングマップの注意点

注意点

ここで、ポジショニングマップを用いて、ポジショニングを行ううえでの注意点をご紹介します。

パーセプションマップとの差異を把握する

1つ目は、自社で設計したポジショニングマップと、実際の顧客の認識であるパーセプションマップの差異を把握することです。

この2つは通常異なるものです。

例えば自社は高品質なのに安いというポジショニングをしているつもりが、顧客のパーセプションでは安かろう悪かろうという認識だったなどのケースがあります。

常に顧客の声を聞いたり、現場を見たりすることで自社の製品がどのように認識されているかをしっかり把握しましょう。

既存の差別化軸にとらわれない

2つ目に既存の差別化軸にとらわれず、まだ競合が注目していない新しい差別軸を考えることも大切です。

例えば、競合が運転しやすさの追求を争っている時に、あえて燃費の良さを打ち出すことでライバルに差をつけることができた事例などが存在します。

自社が伝えたい魅力にとらわれず顧客が何を魅力と感じているかに注目し適切なマッピングを行いましょう。

ポジショニングについてのまとめ

まとめ

それでは、ポジショニングとポジショニングマップについてまとめていきます。

まずポジショニングとは、ターゲット顧客の頭の中に、自社製品について独自のポジションを築き、ユニークな差別化イメージを植えつけるための活動です。

そして、ポジショニングマップはポジショニングを可視化するために効果的なツールです。

ポジショニングマップの作り方は、

  1. 自社製品の特徴を可能な限り洗い出す。
  2. その中から顧客の共感は得られ競合と差別化できるものを2つ選び軸にする。
  3. ポジショニングマップ上に、自社の製品を位置づけ自社のポジショニングを可視化する。

でした。

是非、現在働いている会社の自社製品を対象に、ポジショニングマップを作成してみてください。

自社製品の魅力を改めて認識することができるかもしれません。

魅力の認識を通して、顧客への訴求力を高めましょう。