ネットワークエンジニアは、資格が必要な職業ではありませんが、その知識やスキルを証明するものとして資格は大切です。
高度な知識や技術を持つネットワークエンジニアは人材市場でも高く評価されています。
ネットワークエンジニアを目指している方、または現職のネットワークエンジニアの方は、スキルアップやキャリアアップを見越して、資格取得を考えてみてはいかがでしょうか。
ネットワークエンジニアが勉強すべき国家資格一覧
ネットワーク関連の国家資格は、経済産業省の所管となるIPA(情報処理推進機構)によって認定されています。
ITパスポート
業務でITに関わる人が、基本となる知識を体系的に修得するための資格で、IT系の資格として入門レベルの位置付けとなります。
IT関連について全くの初心者である場合は、ここから学習を始めるのが無難です。
人材市場などではあまり評価の対象にはなりません。
基本情報技術者
「基本情報技術者」は、ITに関する基本的な知識や技術を身に着けたことを表す資格です。
管理者の指示に従って業務を遂行できるレベルの初級のエンジニアを意識したレベルとなっています。
しかし、その分IT全般に関する幅広い基礎知識が求められるため、しっかり学習しなければ合格はおぼつきません。
ネットワークについても基本的な知識が身につきます。
資格取得者は、ITに関する基礎が整っている人材として評価されます。
より高いレベルを目指したい人は、上級資格である「応用情報技術者」資格の取得を目指して学習してみると良いでしょう。
ネットワークスペシャリスト
「ネットワークスペシャリスト」は、その名称が示す通りネットワークに関するプロフェッショナルを認定する資格です。
資格取得者は情報システムにおけるネットワークシステムの企画から開発、運用、保守の場面で、高い知識と技術を駆使してリーダー的な役割を果たすことが期待されます。
ネットワークに関する知識だけでなく、要求を正しく理解してネットワークの設計に落とし込む理解力や、様々なネットワークの評価、改善、ベンダー活用の能力なども求められます。
ネットワークスペシャリストは人材市場で高く評価される資格ですが、その分難易度は高くなっており、受験者の15%程度となっています。
ネットワークエンジニアが勉強すべき民間資格一覧
ネットワーク関連の資格は、ネットワークを扱う企業が専門家を認定する資格も多くなっています。
シスコ技術者認定
シスコシステムズが認定している民間資格で、ネットワーク全体はもちろん、シスコの製品に関する知識について認定するものです。
世界的なネットワークベンダーであるため、世界中のどこでも評価される資格です。
シスコシステムズの製品はネットワークを扱う企業なら対応することも多く、この資格を持っていることで業務知識があると判断できます。
そのため、雇用する側も安心して雇用することができます。CCNA、CCNP、CCIE、CCArなどのレベルに分かれています。
LPIC
LPIC(Linx技術者認定試験)はLinux Professional Instituteが認定している資格ですが、サーバーや様々な端末、時にはネットワーク機器の管理端末もLinuxで作られていることがあるため、学習しているとそれだけ現場での対応力が高まります。
ネットワークエンジニアが勉強すべき資格一覧をTスキル標準に当てはめると
ITスキル標準は、IT技術者のスキルを標準化してキャリアアップや採用のために役立てることを目的としたものです。キャリアフレームワークは、技術ごとに資格とそのレベルを対応させ評価しています。
レベル1~7まで設定されており、レベル1は情報技術の初心者レベルで、レベル7になると世界で通用する技術者であることを意味します。
上記で紹介した資格で、ITスキル標準の中で格付けされているものとしては、
レベル3:シスコ技術者試験(CCNP)
レベル2:基本情報技術者、シスコ技術者試験(CCNA)
レベル1:ITパスポート
となっています。
レベル4は独力で問題を解決に導けるハイレベルプレーヤーであり、後進の育成に貢献できるレベルです。
レベル3は、要求された作業を独力で遂行できるレベルの技術者で、一般的にネットワークエンジニアで一人前として扱われるのはこのレベルからです。
レベル2は上位者の指導のもとに特定の作業を担当するレベルです。
こうしたレベルを頭に入れておくと、キャリアアップのために必要な資格がわかりますので、自分の分野のITスキル標準は確認しておくことをおすすめします。
ネットワークエンジニアが勉強すべき資格一覧まとめ
ネットワーク関連の資格は、国内で認められている国家資格もあれば、世界的なベンダーが提供している民間資格もあります。
どちらが評価されるかは企業にもよりますが、業務上役立つベンダー資格はエンジニアの場合は評価されやすく、コンサルタントなどは国家資格が評価されやすいです。
キャリアパスを考えつつ、資格を学習やスキルアップに役立てましょう。