「ビルメン」という言葉を耳にしたことがあるものの、聞きなじみがなくよくわからないと思う方はいらっしゃいませんか。
ビルメンとは、ビルメンテナンスを意味しますが、そもそもどのような仕事なのかわからないという声も良く耳にします。
この記事では、ビルメン業界の将来性や待遇を知りたい方やビルメンの仕事に興味がある方が、ビルメンについての情報収集やお悩み解決ができる記事となっています。
5分もかからずビルメン業界の将来性や仕事内容について理解できるので、是非参考にしてくださいね。
ビルメン(ビルメンテナンス)の仕事内容
ビルメンテナンスが、一体どのような仕事であり、職場や待遇はどの程度なのか解説します。
ビルメンテナンスは、オフィスビル・商業施設・ホテル・病院などの建物を、利用する人々が快適に使えるように管理するお仕事です。
イメージしやすい仕事内容としては、窓ふきや空調確認が挙げられますが、その仕事内容のほとんどが表にはでてこないので、ビルメンは縁の下の力持ちのポジションであるお仕事と言えます。
分類
ビルメンテナンスの仕事内容は、主に下記の4つに分類可能です。
業務が広範に渡るのがビルメンの仕事内容の特徴であり、清掃業務は業務の中でおよそ50%を占めると言われています。
コロナウイルスの感染拡大という問題もあり、多くの利用者がいる施設や建物では清掃業務は非常に重要な仕事です。
①設備管理
ビル内の電気・水道・空調など設備周りの管理業務です。
業務内容の例
- 電気系統の点検・管理
- 空調設備の点検・管理
- 各配管の点検・管理
- エレベータの見回りなど
②衛生管理
ビル内及びビル周辺を清潔に保つための業務です。
業務内容の例
- ビル内外の清掃
- ごみ処理
- 空調・貯水タンク清掃
- 害虫対策
③警備・防災
ビル内の火災や犯罪などを防ぐための業務です。
業務内容の例
- ビル内見回り・監視
- 消火器設置
- 駐車場の管理
④保全やビル管理
電話応対などの裏方管理業務です。
業務内容の例
- 問い合わせ対応
- 受付業務
- 電気・ガスメーター管理など
職場
続いては、実際のビルメンテナンスの職場や仕事環境について確認してみましょう。
第一に、基本的にはビルの稼働時間に合わせた勤務体系となるため、ビルメンは比較的残業時間が短い業種と言えます。
事故や火災など突発的な事があった場合は、その対応もあるので残業となる場合もありますが、勤務時間が決まっている仕事です。
ただし、24時間稼働の建物に配属されることもあるため、職場によっては日中以外での勤務もあります。
もちろん、24時間連続勤務のような場合になったとしても、建物内で休憩・仮眠時間も取れるので、過労になる心配はありません。
現場作業が終わらなかったり、後輩の指導や引継ぎに時間が掛かり残業になったり、新築の現場を持っていたりすると遠方のマンスリーアパートを借りてしばらく帰宅できない事もあるとのことです。
もちろんそのような場合は、職場によって差はあるものの、残業代も付き、休日も別途で取れることがほとんどです。
待遇
そんなビルメンテナンス業界の待遇はどの程度なのでしょうか?
ビルメン業界の平均年収は250~300万程度の水準で、会社の規模や役職によっては年収500万以上の待遇も狙えます。
そして、ビルメン会社が「系列系」か「独立系」であるかどうかで待遇の差が表れてきます。
系列系とは、いわゆる大手のグループ会社や子会社を表し、独立系はそれ以外のビルメン会社です。
系列系のメリットとしては、親会社が大手であるため、当然その分仕事や待遇も安定し、福利厚生も充実している傾向があります。
しかし未経験・無資格での系列系への就職は難易度が高く、独立系のビルメン会社で経験を着実に積みながら資格を取ることが、系列系で勤務するための一つの方法となります。
「第二種電気工事士」「2級ボイラー技士」「第三種冷凍機械取扱者」「乙4類危険物取扱者」がビルメンとしての能力をアピールできる資格となるので、取得にチャレンジすることがおすすめです。
ビルメン業界の最近の傾向、現況
比較的安定水準
ビルメンテナンス業界は安定しているのか気になるところですよね。
ビルメン業界の市場規模は4兆円前後であることからもわかるように、需要が高く比較的安定した業界だと言えます。
例え経済不況に陥ったとしても、ビルが存在し続ける限りはビルの保守業務はなくなることはありません。
2020年はコロナウィルス拡大の影響もあったものの、やはりビル建設の仕事がなくなるわけではないので、ダイレクトな影響は他業界に比べ受けにくいものとなります。
そのため今後も安定した仕事であり続けると言えるでしょう。
事業によって格差も
経済に大打撃が与えられ、大きく変化し続けるコロナ禍の経済状況であっても安定しているとはいえ、ビルメンメンテナンス業はメンテナンス先の企業によって大安定性が大きく左右されることもあります。
例を挙げると、ホテルや商業施設などは利用者の外出が少なくなっているため、休業という選択を取らざるを得ない場合が大いにあります。
そのため、付随してビルメンテナンスの需要も減少します。
今後この業界へ就職や転職を考える方は、今後の経済状況を考慮して検討する必要があります。
ビルメンの将来性、今後
人材不足の業界
人材不足は多くの業界で問題となっていますが、ビルメンテナンス業界でも同様に問題視されています。
年収や厳しい環境のイメージなどが人材が集まらない理由として挙げられます。
この業界での人材不足はすでに慢性化しておりますが、同時に業界の高齢化も進んでいるため、若年層の確保が必須です。
また、就職後の離職率も高い傾向にあります。
理由としては、現場での肉体的な疲労、宿泊を要することで生活スタイルが仕事に左右され、精神面での負担が多いかったことが多く挙げられます。
どのような仕事でもそうですが、仕事内容を覚えていくことで自分ができることも増えていき、クライアントや上司から頼ってもらえるようになってこそ面白味が出てきます。
そのため、就職前にしっかり自分がやりたいこと、その会社での数年後の自分のイメージを持って、それがマッチしているか考えることが必要です。
これからは質も求められる
若年労働力の獲得は容易なものではありません。
それゆえ企業側はロボット・ITを利用した人の手をかけない方法を採用したり、便利な設備・道具を導入し効率化を検討するようになります。
例としては、防犯カメラが挙げられるでしょう。
元々人を設置して周囲監視していた箇所があったとして、そこにずっと人を置いておくことで人件費もその人の労力もかかります。
そこでカメラを設置して、担当者には別の仕事してもらうことで効率を上げられます。
別の仕事となると、人の手でしかできないことになります。
ガスメーターのチェックも、人がわざわざ見に行くのではなく、データ送信で管理会社へ飛ぶようにもできます。
働き手側はこういった業界動向も考慮し、質の高い現場での能力を磨いてく必要が出てくるでしょう。
ビルメンの将来性まとめ
業界自体は不況で傾くこともなく安定した需要がありますが、慢性化された人材不足の課題の中、各所でロボットやIT技術、AIが成長し、それがビルメン業界にも進出してきています。
そのため、「後悔する」「やめとけ」といった声もありますが、業務に興味があるなら問題ありません。
もしこの業界に就職を考えている方がいらっしゃれば、この記事を参考にご自身の性格や能力をビルメンの仕事と照らし合わせていただければと思います。