会社の中で経営に大きく関わるイメージのある取締役。
ベンチャー企業で働いている方や、身近に起業家の友人がいるという方は、
そんなことを考えたこともあるのではないでしょうか。
また、他にも
そんな疑問を持ったことのある方もいるのではないでしょうか。
さくらぎも実は大学時代に友人から会社の創業メンバーとして取締役職でのオファーを受けたことがあります。
この記事では、そんな取締役という立場について、きちんと調べてみると責任が思ったよりも大きかったので、
従業員という立場(部長含む)との違いを中心にまとめたいと思います。
取締役と従業員(部長含む)の違いとは
早速ですが、取締役と従業員の違いとはなんでしょうか。
結論から言うと、それは契約形態の違いにあります。
まず、従業員の契約形態は「雇用契約」です。
※執行役員も同様です。執行役員は、「役員」という名称を含みますが、取締役ではなく従業員の最高位という立場です。
雇用契約とは、文字通り会社に雇用されて働く働き方です。
そして雇用契約での働き方は、担当業務に対して責任を負っているとはいえ、あくまで会社に雇用された働き方となっています。
それに対して、取締役は「委任契約」という契約形態です。
基本的に会社との間に雇用契約は結んでおらず、その会社の従業員ではありません。
すなわち、従業員としてはその会社を退職した扱いとなります。
ではその委任契約とはどういったものでしょうか。
詳しく解説していきます。
委任契約とは?雇用契約とは何が違うの?
委任契約とは簡単に言うと、
「一般人では対処できない専門的な事柄を専門家に依頼する契約」のことです。
例えば、経営コンサルタントに事業戦略の立案を依頼する際の契約であったり、
法的問題に対して弁護士に相談する際の契約というのが委任契約です。
では、「雇用契約」と「委任契約」では何が大きく違うのかというと
「委任契約」では、「相互解除の自由」が認められている点があげられます。
雇用契約では、労働基準法により従業員に一定の権利が保証されており、解雇したいからといってすぐに解雇することはできません
しかしながら、委任契約においてはこの労働基準法で認められている権利が保証されていません。
すなわち、株主総会や取締役会で解任動議が発動され、可決されてしまえばすぐに解任となってしまうのです。
役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。
上記のように、取締役には従業員とは大きく違う点「すぐにクビになる可能性がある」が存在しています。
取締役は経営責任を問われる
また、取締役と従業員で大きく異なる点として、経営責任が問われるかどうかという点もあげられます。
従業員においては、基本的に経営責任を問われることはありません。
もちろん成果が出ない場合に左遷されたり、降格されたりするケースはありますが、あくまでそういった処分が下されるのみです。
その後結果を出せば挽回できるケースは存在します。(銀行業界等、一度失敗するとなかなかに這い上がりづらい業界もありますが…)
しかし、従業員と違い取締役においては、成果が出なければすぐに解任されてしまいます。
また、場合によっては株主代表訴訟によって損害賠償請求されてしまうこともあります。
憧れの的とされることのある取締役という役職ですが、取締役になることにはこのようにリスクもあるのです。
取締役になることのこわさまとめ
先述したように、企業の取締役となることには大きなリスクがあります。
しかしながら、経営陣として会社経営に参画し自らの意思決定で会社を動かしていくという醍醐味はそのリスクを補って余りあるものだと言えると思います。
また、取締役として成果を上げることができれば、その経歴は一生涯使える資産となります。
取締役になることのリスクを知ったうえで、取締役を目指しましょう。